手ぶれ軌跡補正フィルター

概要

夜景などで、手ぶれによって輝点が軌跡を曳いてしまった画像を補正します。 パラメーターにぶれ幅を指定しますが、指定の幅に従って輝点の軌跡を自動検出し、検出した軌跡を解析して決定する詳細な情報を用いて、画像全体から手ぶれの影響を除去すべく補正を行います。

なお、軽いピンぼけが複合していても、手ぶれと同時に補正されます。

サンプル画像については、ご案内の手ぶれ軌跡補正フィルターのページをご覧下さい。



標準パラメーター

典型的な利用方法での便宜のため、以下の選択枝を用意してあります。 手ぶれ軌跡補正フィルターでは選択枝を選んだ後に必ず、ぶれ幅を指定して下さい。



パラメーター

ぶれ幅・シャープネス・光源の光量を補う・回転を考慮に入れるの、4つのパラメーターがあり、手ぶれ軌跡補正フィルターを選択するとコントロールパネル(画面右側)に表示されます。



ぶれ幅

輝点の個々の軌跡の(上下左右斜めに対する)最大の幅を指定して下さい。

シャープネス

軌跡検出・解析後、画像補正段階で、手ぶれによって失われた情報をどれだけ強く補うかを指定します。 この値を0にしても実際の補正は行われ、それなりの結果が得られます(但し、かなり輪郭の甘い結果となります)。 通常は100程度が適当であることが多く、その結果を見た後に調整するのが良いでしょう。

光源の光量を補う

夜景のようなシーンでは、全体が暗くても多くの光源が白飛びして記録されるのが普通です。 結果的に、手ぶれしなかった場合より多くの光が記録されることになります。

そのためもあって手ぶれ軌跡補正の処理を行うと、光の総量が著しく減ってしまう場合がありますが、逆に光源に光を補って、夜景などの煌きを損なわないようにするためのスイッチです。

但しこのスイッチを使用した場合、本来は光源ではなかった部分(補正しきれなかった軌跡の断片など)にも光を補ってしまう場合がありますので、主に点光源で構成される夜景など、光量を保ちたい場合にのみ使用してください。

回転を考慮に入れる

一般に手ぶれ現象は、上下左右への平行移動ばかりが起きるわけではありません。 レンズの光軸を回転させるようなぶれの要素を含んでいることがあります。

回転ぶれが加わった場合、画像の部位によって軌跡の長さや形が異なる画像となりますが、これをチェックすると、平行移動に多少の回転ぶれが複合した画像でも処理できるようになります。 回転の要素を含んだ手ぶれ画像にのみ指定してください。

また、平行移動と回転が複雑に絡み合った手ぶれや、回転自体が複雑な場合、また回転軸の中心点が画像の中やごく近くに位置するようなものは処理できません。

使用時のコツ

手ぶれ軌跡補正フィルターは、ほとんどの処理を自動解析によっています。 解析に関して行われる指定は、ぶれ幅と、回転を考慮するのスイッチだけです(他のパラメーターは軌跡の解析には関わっていません)。

ところが、ぶれ幅はさほど厳密なパラメーターではありません。 これは人間の考える軌跡と、補正処理に必要な情報を保持している軌跡が必ずしも一致しないためです。 たとえば人間が考える軌跡は、特に目立つ点光源の軌跡ですが、補正処理に必要なのは手ぶれの速度バランス(軌跡の重み付け)を検出できるよう出来るだけ階調を保った暗い軌跡です。 また、人間は接近した光源の描く軌跡の複合を容易く見分けますが、フィルターにはそれは容易ではありません(軌跡の分離処理は行っていません)。

そのようなわけで、手ぶれ軌跡補正フィルターは指定されたぶれ幅を目安に、補正処理に必要とされる情報を画像内に探し求めます。 しかし、扱いの難しい手ぶれ画像を補正する場合には、指定するぶれ幅と実際に検出される軌跡の関係を知っておくと、最良の結果を得るのに役立つかもしれません。



この例では 20.0 pixel のぶれ幅を指定しましたが、手ぶれ軌跡補正フィルターは周辺で一番明るい点から指定のぶれ幅を半径とする円の内側で軌跡を解析します(左)。

その結果検出された軌跡は、この例のこの部分では約 21.4 pixel の幅を持っていました(右)。

指定の 20.0 pixel と検出した軌跡の 21.4 pixel では差がありますが、手ぶれ軌跡補正フィルターは指定のぶれ幅の 50〜150% の幅を持ったものを、軌跡の候補として扱います。 従いまして、この例にある軌跡は、20.0 pixel のぶれ幅に合致する軌跡と判定されます(最終的に補正に使用される情報をここから抽出するかどうかは、また別の観点の判定をパスする必要があります)。

ここで注意して頂きたいことは、明らかではありますが、まず指定が短すぎてはいけないことです。 周りじゅうで一番明るい点が軌跡の端にあった場合、指定のぶれ幅が少しでも短いと、軌跡が解析範囲からはみ出して結果的に認識できません。 また、軌跡が人間が考えるより実際には多少長い場合もあります(たとえば軽いピンぼけが複合して滲んでいた場合など)。

次に、ぼけ幅の指定が実際より長い場合ですが、指定したぶれ幅の 50% の軌跡も候補として扱いますので、短いよりは長いほうが安全であるとは言えます。 しかし、軌跡の周辺に邪魔になる明るい点がまったくない場合は稀で、ある軌跡の近くには別の軌跡があるのが普通です。 従いまして、不要に長いぶれ幅の指定を行うと、検出される軌跡が曖昧になって良い補正結果が得にくくなったり軌跡検出の失敗に繋がります。

そのようなわけで、ぶれ幅の指定は多くの場合あまり厳密に指定する必要はない反面、ある程度まで的確な指定が必要となります。

また、軌跡が接近していて検出が困難な画像や、背景が明るいために良い軌跡を得にくい画像では、ぶれ幅を多少調整してみると、検出および情報抽出される軌跡が変わることにより補正結果も大きく変化することがあります。 補正結果があまり好ましくないものであった場合、ぶれ幅を多少調整してみることをお勧めします。



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