どんな時にどのフィルターを使う?

ピンぼけ・手ぶれ補正関係のフィルターは、画像のどんな点に着目して画像をどのように加工するか、それぞれのフィルターによって違います。
「ピンぼけには○○、手ぶれには□□」と言えれば話は簡単なのですが、実際のピンぼけ・手ぶれ画像にはさまざまな状態があるため、その画像に対してなにが出来るかは異なります。 残念ながら今日の画像処理技術は、「ピンぼけには○○、手ぶれには□□」と言い切ってしまえるほど進んではいません。

ピンぼけ・手ぶれレスキューでは、画像のなにかに着目してピンぼけ・手ぶれ補正を行う手段を、各種利用できるようにしてあります。
どのフィルターを使用するかという疑問や比較検討の手間は生じますが、そうすることで実際の画像に対し(利用者の目的や好みに応じた)最適の補正を行うことができます。

ピンぼけ・手ぶれレスキューオリジナルのフィルター6種や一般的なフィルターの拡張機能は、ピンぼけ・手ぶれレスキューでしか利用できないもので、簡単に利用できるもの、少々慣れが必要なもの、強力な効果を発揮するもの、微妙な効果を狙ったものなどさまざまですが、実際の画像の状態に応じて適切に使用することで最大限の効果を発揮します。

ここでは、どんな時にどのフィルターを使うのが良いかを、状況に応じた場合分けによって解説します。

   

でも面倒なことは考えたくない(手間もかけたくない)場合

 
      フィットフォーカスフィルター  
       

なにも指定しなくとも自動で、手ぶれや軽いピンぼけを補正できます。
但し、思惑と違うところにピントが合っている画像には、ピント位置指定の操作を行って下さい。

 

ピンぼけ/手ぶれ/被写体ぶれを見分ける

画像を適切に補正するためには、その画像になにが起きているのか、まず見分けることが必要です。
良くわからない方は、「ぼけ」と「ぶれ」についても参考にして下さい。

しかし画像が甘いという程度に現象が微妙なとき、案外見分けるのが困難なこともあります。
そのようなとき、その画像をピンぼけ・手ぶれレスキューで開いて画像を右クリックすると、ルーペ機能の拡大画像が表示できますので役立てて下さい。

   

「ぼけ」か「ぶれ」か、見分けられない画像

 
      フィットフォーカスフィルター  
       

激しいピンぼけ・手ぶれは補正できませんが、見分けるのが難しいほどの微妙なピンぼけ・手ぶれであれば、利用が簡単で高品位な補正のできるフィットフォーカスフィルターが適しています。

 
      手間を惜しまないなら、シェイクキャンセラーフィルター  
       

現象が純粋な手ぶれ現象であった場合、フィットフォーカスフィルター以上に強調のない高品位な結果が得られるかもしれません。 その逆に、適度にメリハリの効いた結果が欲しいとき(最終的に画像を縮小して利用する場合など)には、フィットフォーカスフィルターの方が向いています。

 
      更に手間を惜しまないなら、手ぶれ軌跡補正フィルター  
       

フィットフォーカスフィルターやシェイクキャンセラーフィルターの結果に納得しきれない場合に試してみる価値があります。 主に夜景での手ぶれを意識したフィルターですが、夜景以外にも効果を発揮することもあり、そのとき軽いピンボケまで直ることがあります。 微妙なピンぼけ・手ぶれなので、ぶれ幅のパラメーターは 3.0 pixel くらいに指定しておくのが良いでしょう。

 

以下、画像に生じているピンぼけ/手ぶれ/被写体ぶれ現象を見分け、それぞれに応じた解説になりますが、その前に…

補正結果を見比べる方法

このような操作をして行くとき、補正した結果同士を、どちらが良いか見比べたくなるでしょう。

そのようなとき暫定結果機能が便利です。 得られた補正結果を、暫定1または2として保持しておき、パラメーターを調整して再度補正した結果と、並べても重ねてもワンタッチで見比べることができます。

この例では、左から、元画像・フィットフォーカスフィルターの補正結果・シェイクキャンセラーフィルターの補正結果の3つを見比べています。

このように異なるフィルターの補正結果を見比べるためには、予めオプションで暫定結果の内容を次回フィルター処理まで保持するをチェックしておく必要があります。 詳しくは、暫定結果を参考にして下さい。

また画像を見比べるとき、原寸で見比べるばかりでなく、その画像の最終的利用サイズを意識して見比べることも重要です。 表示倍率を調整しながら様々に見比べて下さい。

なお一般に、利用サイズが小さい場合(最終的にリサイズして縮小するなど)、ディテールは多少失っても影響は少なく、一方で強めに効果を施した方が最終的に良い結果が得られます。



ピンぼけ/手ぶれ/被写体ぶれの状況に応じて

画像に生じている現象を見分けたら、それに応じて該当の項をご覧下さい。

鮮明でない画像が生じてしまう原因は、ピンぼけ/手ぶれ/被写体ぶれが代表的であり、ほとんどの場合これらのひとつまたは複数に該当する筈ですが、それ以外の原因によることも、ないわけではありません(画像のコントラストに関連する問題は、階調・色調も調整しようをご覧下さい)。

   

ピンぼけ

 
      軽いピンぼけなら、フィットフォーカスフィルター  
       

期待と違うところにピントがあるようなら、ピント位置指定操作で、本来ピントを合わせたかった位置を指定して下さい。 コントラストが低いなどピントの合わせにくい被写体の場合には、カメラのオートフォーカス操作と同様に多少の工夫も試した方が良いかもしれません。

 
      フィットフォーカスフィルターが通じなければ、フォーカスエイドフィルター  
       

ピンぼけは手ぶれと比べ広範囲に光が拡散してしまうため、厳密な計算による補正は困難です。 画像に残されたディテールや輪郭を強調することで、ピンぼけ感を拭い去るという発想での補正を行います。 十分な効果を引き出すためには試行錯誤が必要かもしれません。

 
      これらを使用するとき、部分的効果(レタッチブラシ)を活用  
       

ピンぼけ現象は、カメラと被写体の距離に応じてぼけの度合いが変わります。 主被写体のピンぼけ補正が成功しても別のところに問題が生じてしまうことがあれば、使えるところだけ効果を適用するなど、画像の部分ごとに効果を調整して下さい。

 
      それでも通じなければ → 画像の最終的利用サイズを考える  

   

ピンぼけと、手ぶれや被写体ぶれが複合している

 
      まず最初に、フィットフォーカスフィルター  
       

原則としてピンぼけと手ぶれの複合した状態を補正できるのは、フィットフォーカスフィルターだけです。 ピンぼけと複合しているのが被写体ぶれだったとしても、一応はまず実行してみましょう(被写体ぶれを補正するためのフィルターはありません)。 主被写体のピントを合わせたい位置に、ピント位置指定を行ってください。

 
       

フィットフォーカスフィルターで通じなければ、あとは、ぼけとぶれのうち、影響の顕著な方に焦点を当てて補正を試みるのが良いでしょう。

 
      ピンぼけが目立つなら → ピンぼけ
手ぶれや被写体ぶれが目立つなら → 手ぶれと被写体ぶれが複合している
 

   

手ぶれ

 
      シェイクキャンセラーフィルター  
       

純粋な手ぶれには最も強力かつ高品位な補正を行います。 ほぼ自動なので利用は簡単ですが、期待通りの補正結果が得られない場合には、手ぶれ検出感度(低/中/高)を変更してみて下さい(あるいは標準パラメーターダイアログにある3通りの設定を試して下さい)。

 
      激しい手ぶれでなければ試しておきたい、フィットフォーカスフィルター  
       

現象が手ぶれだけに見えても、ピンぼけも軽く複合していることもあります。
また被写界深度が浅い(ピントの合っている範囲が狭い)画像など、シェイクキャンセラーフィルターが少々苦手とする画像でフィットフォーカスフィルターの方が良い結果を出すこともありますので、試しておいて損はありません。

 
      夜景なら、そうでなくても、手ぶれ軌跡補正フィルター  
       

夜景などの点光源が(ほぼ白飛びした状態で)軌跡をひいているような画像で、軌跡を積極的に消そうとするのは、手ぶれ軌跡補正フィルターだけです。 また極端に歪曲した手ぶれ軌跡を捉える点でも、他のフィルターより優れています。 画像中から(階調を保った暗い)軌跡を探し出しその情報で補正を行いますが、一見軌跡など見当たらない(夜景ではない)画像でも適用できることが少なくありません。
夜景ならまず、手ぶれ軌跡補正フィルターですが、そうでなくても手間を惜しまないなら試してみる価値があるでしょう。 すべての手ぶれ画像に適用できるわけではありませんが、とても強力な効果を得られるフィルターです。

 
      激しい手ぶれに、シェイクキャンセラーフィルターを二度施す  
       

シェイクキャンセラーフィルター本来の使用方法ではありませんが、相当に激しい手ぶれ画像に対しシェイクキャンセラーフィルターの補正結果が不十分に留まったとき、それで一旦は確定して更にもう一度シェイクキャンセラーフィルターを施すと、ほどほどの(しかし元画像の状態と比べれば驚異的な)結果を得られることがあります。

 
      これらが通じなければ、直線的手ぶれ補正フィルター  
       

手ぶれ補正関係のフィルターにはすべて画像の解析処理が含まれています。 なんらかの理由で適切な解析結果が得られないと適切な補正結果も得られません。
その点、直線的手ぶれ補正フィルターも同様ですが、手ぶれの方向や幅を人手で指定するので、厳しい条件下でもある程度の補正効果を得られます。 なお、指定する手ぶれ方向は一応180度逆向きも試してみると良いでしょう。

 
      それでも通じなければ → 画像の最終的利用サイズを考える  

   

被写体ぶれ

 
      画像全域で同じようなぶれ方なら → 手ぶれ  
       

ピンぼけ・手ぶれレスキューに、被写体ぶれを補正するためのフィルターはありません。
しかし画像の全体またはほとんどが、同じ向き同じ程度の被写体ぶれを起こしている場合、手ぶれと同等とみなすことができるかもしれません。

 
      それなりの効果が得られるかもしれない、直線的手ぶれ補正フィルター  
       

被写体ぶれは、画像の部分部分によってぶれの方向や大きさが異なり、それも複雑に入り混じってしまうのが普通です。 そのような画像の全体を補正するのは不可能ですから考えられることは、主被写体(多くの場合、顔)に絞って、そのぶれを補正することです。
しかしそのような意味でも、ピンぼけ・手ぶれレスキューに被写体ぶれを補正するためのフィルターはありません(手ぶれ補正関係のフィルターは、画像全域を解析して情報を得ます)。
唯一、状況に応じてある程度の効果を得られるかもしれないのは、人手でぶれの方向や幅を指定する、直線的手ぶれ補正フィルターです。 運が良ければ悪くない補正結果を得られることもありますが結果は保証できません。

 
      それでも通じなければ → 画像の最終的利用サイズを考える  

   

手ぶれと被写体ぶれが複合している

 
       

ピンぼけ・手ぶれレスキューに、被写体ぶれを補正するためのフィルターはありません。 なんとかそれなりに対策する手段としては、先に手ぶれを補正しておき、その後に被写体ぶれへの対策を考えるのが良いかもしれません。

 
      まずは、シェイクキャンセラーフィルター  
       

シェイクキャンセラーフィルターは、被写体ぶれに比較的影響されにくいフィルターです。 多少の被写体ぶれが含まれていても、多くの場合、画像全域が影響を受けている手ぶれ要素のみが補正されます。
また、その後に被写体ぶれに対策することを前提とすれば、余計な強調を施さないシェイクキャンセラーフィルターを使用すべきです。 手ぶれ検出感度は低、シャープネスは0での実行をお勧めします。

 
      後から、直線的手ぶれ補正フィルターの結果を、部分的効果(レタッチブラシ)で適用  
       

主被写体(多くの場合、顔)に合わせて、手ぶれ方向とぶれ幅を指定して実行して下さい。
被写体ぶれを補正するためのフィルターではありませんので結果は保証の限りではありませんが、主被写体の補正結果の良否とは別に、着目した主被写体と異なったぶれ方をした部分で、画質が荒れてしまうことが予想されます。
部分的効果(レタッチブラシ)機能を使用して、主被写体および同様の被写体ぶれをしている範囲にのみ効果を適用して下さい。

 
      あるいは、暫定結果部分的効果(レタッチブラシ)を利用する  
       

部分的効果(レタッチブラシ)機能では、予め保持しておいた暫定1・2に効果元を切り替えることが可能です。
この機能を用いれば、手ぶれ要素の補正と主被写体の被写体ぶれの補正に(元画像に対して)別々のフィルターを適用し、部分的効果(レタッチブラシ)機能の操作で効果元を切り替えて画像の場所ごとに異なった効果を適用することができます。
そのような工夫は様々あり得ますので、なんとしてでも最良の結果を得たい場合には、ご自身で試行錯誤を行ってください。

 
      それでも通じなければ → 画像の最終的利用サイズを考える  

   

原因はさまざまあれど、ともかくシャープネス補完

 
      フィットフォーカスフィルター  
       

なにも指定せず自動で試してみることをお薦めします。
ピンぼけ・手ぶれ現象以外に原因があっても、アンシャープマスクで単に局所コントラストを強調するのではなく、画像の統計的状況に応じたシャープネスが得られます。 但し画像の状態によって、明らかな効果を生じないこともあるでしょう。

 
      輪郭強調  
       

ピンぼけ・手ぶれレスキューの輪郭強調は、たいへん強力かつ柔軟なフィルターです。 標準パラメーターダイアログにいくつもの典型的利用方法を用意してありますのでご利用ください。
その中でも特に「さりげなくメリハリを付ける」という使い方は利用価値が高く、レタッチを目立たせることなくシャープネスを得る手段として極めて効果的です(輪郭検出半径や効果の指定値は適宜調整して下さい)。

 
      アンシャープマスク  
       

シャープネス補完のため一般的に使われるフィルターで、画像の局所コントラストを強調します。 半径や下限値(一般にはしきい値)が指定できるため、シャープフィルターとの比較上、画質を劣化させずにシャープネスを得ることができます。 ピンぼけ・手ぶれレスキューでは更に上限値などの機能拡張を施してありますので、画像に破綻を生じさせない限界まで強く効果を得たい場合など、より強力に効果を施すことができます。
ピンぼけ・手ぶれ現象の補正には向きませんが、単なるシャープネス補完のためには使い易いフィルターです。

 
      クリアエッジフィルター  
       

輪郭の更にフチを重点的に先鋭化するフィルターです。
レタッチの仕上げに画像にキレを与えるような用途で使用するもので、他のフィルターでは扱えない極めて微妙なシャープネスを補完します。

 
      それでも通じなければ → 画像の最終的利用サイズを考える  

画像の最終的利用サイズを考える

まず、かなり極端なものですが、面白い例をご覧下さい。

     

これは600万画素の画像から原寸のまま切り取ったもので、左が元画像、右がシェイクキャンセラーフィルターでの補正結果です。
補正されたようにはぜんぜん見えません。

この画像は14ピクセル幅程度の手ぶれで、実は画像の全体はある程度良い状態で補正されているのですが、黒地に白文字の部分では期待するような補正結果が得られませんでした(どのフィルターでも、コントラストの強すぎる部分では問題が生じ易い傾向があります)。

では、次の画像ではどうでしょうか?

     

不自然なところは残っていますが、見た印象は相当に違います。

この画像は、前記の画像とまったく同じものを2分の1縮小しただけのものです(同じ補正結果です)。 元画像は600万画素あって、この黒地に白文字のお品書きは画像中のほんの一部ですから、ただ補正結果全体を見た場合に2分の1縮小だと不自然な部分に気づかないかもしれません。

それでも2分の1縮小では画像全域に甘さが感じられるかもしれませんが、更に少しだけ(たとえば元画像の40%まで)縮小すると、甘さもほとんど感じられず、そういう目で探さないと問題が残っていることに気づかないようになります。 そうなれば、特に画像を見慣れているのではない普通の人なら、手ぶれにはまず気づかないでしょう。

デジタルカメラの液晶表示でピンぼけ・手ぶれが判別できないのと同じで、画像は縮小するとディテールが見えなくなりますので、ある意味シャープに見えます。 ですから、縮小すればごまかしが効くのは当然のことではあります。

しかしこの例では、元画像のままでは5分の1に縮小しても甘さが目立つ(画像を見慣れている人ならその原因が手ぶれであることは明白)のに対し、問題の残る結果といえどもシェイクキャンセラーフィルターの補正結果なら40%(2.5分の1)縮小で普通の人には問題が感じられなくなります。 この例の場合、補正結果を3分の1まで縮小すれば画像を見慣れている人でも手ぶれに気づかない可能性大で、4分の1ではそうと知って見るのでない限り誰も気づかず、5分の1なら申し分のない画像に見えると思われます。

以下は、4分の1縮小での比較です。

     

なお、世間一般では(他に手段がないため)ピンぼけにも手ぶれにも適用されることの多いアンシャープマスクでは、こうはいきません。 逆に、シェイクキャンセラーフィルターなどで補正した画像に対して更にアンシャープマスクを施すことは、画像にメリハリを付けるためには有効です。

以下は、左が元画像の4分の1縮小にアンシャープマスクを施したもの、右はシェイクキャンセラーフィルターの補正結果の4分の1縮小に対してアンシャープマスクを(同じ条件で)施した例です。

     

どんなピンぼけ・手ぶれ画像に対しても、原寸で見て申し分のない補正が行えるのが理想です。
しかし残念ながら、激しいピンぼけ・手ぶれや、なんらかの悪条件(前記の例では黒地に白文字のコントラスト)が加わった画像の場合、原寸で見て鑑賞に耐える補正結果が得られるとは限りません。

そのようなとき、画像の最終的利用サイズを考えることが重要です。

もし画像をホームページやブログあるいは画像を貼り付けられる掲示板で用いるとするなら、通常は640×480ピクセルの約30万画素、あるいは800×600ピクセルの約50万画素での使用が通常の上限でしょう。

デジタルカメラで撮影した画像が200万画素だったとすれば、そこには面積で4〜6倍もの差がありますから、少なくとも2分の1縮小(面積で4分の1)を前提にして(そこで効果的な)補正を行うことができます。 もし元画像が600万画素なら面積は12〜20倍の差、従って4分の1前後の縮小率(面積で16分の1)を前提にできるわけです。

また逆に Ver.3 で新搭載のシェイクキャンセラーフィルターが激しい手ぶれにも現象緩和効果を発揮できることが、このような実際の活用領域を広げました。

なお最終的利用形態がプリントの場合、計算が少々変わります。
適切な用紙を用いて写真画質と言われるようなプリント方法を採った場合、プリントは画面より解像度が高くなりますが、その解像度や解像感は諸条件によって相当に差があります。 たとえば普及版の写真用紙を用いるのと高級な光沢紙を用いるのでもかなりの差が生じます。

その辺のバランスは利用者の方が環境に合わせてご自身で判断して頂くよりありませんが、すごく大雑把な方法として、プリントの物理的サイズより一回り〜2倍程度の大きさに画面上に表示させたときに最適の結果となるようなバランスでの補正を意識するのが良いようです。

そのように考えると、元画像が300万画素あればL版までの、500万画素あれば2L版までのプリントには、ある程度解像度に余裕がある(画面での表示倍率を2分の1かそれ以上に縮小した状態での効果的な補正を狙うのが良い)と考えて良いでしょう。 もちろんその辺のバランスは諸条件で(画面のサイズによっても)変わりますが、一応の目安にはして頂けると思います。

画素数に余裕があるなら、更にできること

次の画像は、直前のサンプルとほぼ同じ場所での撮影ですが別の画像で、40ピクセル幅もの手ぶれをしたものです。 左が元画像、中央と右は手ぶれ軌跡補正フィルターでの補正結果で、すべて2分の1に縮小しています。

中央と右の画像の違いは、中央が元画像に手ぶれ軌跡補正フィルターを施した後に2分の1縮小したもの、右は元画像を2分の1縮小した後に手ぶれ軌跡補正フィルターを施したものです。

       

このような点光源(あるいはそれに類する光源)が軌跡をひいたような画像の補正には、手ぶれ軌跡補正フィルターが最も適しているのですが、手ぶれ軌跡補正フィルターが扱える手ぶれの最大幅が30ピクセル幅なので、中央の画像では手ぶれの影響がだいぶ残ってしまいました。 それに対し右の画像は2分の1縮小した後に手ぶれ軌跡補正フィルターを施しましたので、2分の1縮小した時点で手ぶれ幅も20ピクセル幅程度に縮小され、そのために中央の画像より良い結果が得られています。

しかし激しいピンぼけ・手ぶれ画像に対して、補正結果の画質の荒れは避けられません。 40ピクセル幅もの手ぶれ画像の補正結果で、この補正結果はかなり幸運な場合であると言えます。

更に縮小しての使用に耐えられれば良いと考えるのが現実的ですが、元画像の画素数に余裕があれば(それだけ大画素数だからこそ絶対ピクセル幅で極めて大きなぼけ・ぶれになるわけですが)、一旦縮小しておいてからピンぼけ・手ぶれ補正を施し、その後に最終的使用形態のサイズに再び縮小するという手段があり得ます。

但し、ピンぼけ・手ぶれ補正関係のフィルター(特にシェイクキャンセラーフィルター・フィットフォーカスフィルター・手ぶれ軌跡補正フィルター)は、撮影されたままの元画像に対して施すことを前提に作成され、通常はそれが最も効果的な使用方法です(しかしながら状況によってはこの例のように縮小後に施した方が結果がよい場合があります)。

なおそのとき、事前の縮小には必ずピンぼけ・手ぶれレスキューのリサイズを使用して下さい(他のソフトでリサイズを行うとその縮小方式によってはフィルターの動作に著しい悪影響を及ぼします)。また事前の縮小は2分の1縮小(面積で4分の1)が良いものと思われます。

最終的使用形態のサイズが(元画像との比較で)小さいことが前提となりますが、特に極めて激しい手ぶれを補正しようとするときや、元画像のサイズのままではフィットフォーカスフィルターでピンぼけを補正できないような場合に有効だと思われます。 その他にも応用が効くこともある筈なので、なんとしてでもより良い補正結果を得たい場合には、元画像を一旦縮小後に、ピンぼけ/手ぶれ/被写体ぶれの状況に応じて、フィルターを適用することも試してみると良いでしょう。

最後の一手

他の手段が通じないときや補正が不十分なとき、それでも多くの場合、最後の一手として輪郭強調を利用できます。

次の例をご覧下さい。 それぞれかなり強い、ピンぼけ・手ぶれ・被写体ぶれが複合した画像で、元画像は600万画素あります。 これを最終的に長辺800ピクセルで使用(3.76分の1/面積比で14分の1)することを想定しますが、以下の比較画像はすべてその比率で縮小した中から一部を切り取った画像です。

         

一番左は元画像で、3.76分の1に縮小してなおこの状態です。
二番目は、元画像にシェイクキャンセラーフィルターを施したものです。 画面外にピントの合った部分もありますので、ピンぼけや被写体ぶれが複合していても一応処理できましたが、効果は弱められてしまったようです。 そして当然、人物の顔のピンぼけ・被写体ぶれは直りません。
三番目は更に、顔の被写体ぶれに指定を合わせて直線的手ぶれ補正フィルターを用い、その効果をレタッチブラシで顔だけに適用したものです(ここまで前記手ぶれと被写体ぶれが複合しているで解説した方法)。 手ぶれと被写体ぶれだけの複合ではなく、ピンぼけも複合してしまっている画像のためもあり、十分な効果は得られていません。
そして一番右側は、長辺800ピクセルに縮小(リサイズ)した後に、最後の一手として輪郭強調を施しました。 実はここでもレタッチブラシを、不適切に働いた部分(首の外側)の効果を除去するために、少しだけ使っています。

単なるシャープネス補完なら、アンシャープマスクでも良いでしょう。 たしかに輪郭強調と似たような傾向の効果を得ることはできます。 しかし、他の手段が通じ切らなかったような現象の残る画像を、アンシャープマスクで仕上げようとするのは無理な話です。

そこで登場するのが、ピンぼけ・手ぶれレスキューの輪郭強調。 世間一般の輪郭強調とまったく異なり、強力かつ柔軟に目的に合わせた効果を得ることができます。 「輪郭抽出のみ行う」のチェックで、輪郭強調の影響範囲と強さを明確に確認できることも役立ちます。 更にそこで部分的効果(レタッチブラシ)を利用すれば、(部分部分に別の効果を施すなどで)手間をかければかけるだけ良い仕上がりを得ることができるでしょう。 なお、この例ではさほどの手間はかけていません。

最後に、元画像と、輪郭強調後に更に階調・色調補正を施した仕上がり状態の比較を、想定した最終的利用サイズでご覧下さい。

       


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