JPEGファイルについて

JPEGファイル保存操作について

JPEG 保存は、データ圧縮時に画質劣化が生じます(『JPEG形式の特長』以降で詳しく解説します)。

そこで、ピンぼけ・手ぶれレスキューの JPEG ファイル保存機能は、画像のファイル容量と画質のバランスを見極めて保存するべきであるとの考え方に立って設計されています。 「名前を付けて保存」の場合、「画像の保存」ダイアログでファイル名(と、ファイルの種別に JPEG)を指定した時点では、ファイルはまだ保存されていません。 「上書き保存」でも、メニューやアイコンを選んだだけでは、まだファイルは保存されません。

その段階で、JPEG 保存画面が表示されます(加えてオプション設定状態に応じた確認ダイアログが表示されることがあります)。 この画面は、画質とファイル容量を検討しながら、JPEG の保存(圧縮)パラメーターを調整するための画面です。

ここで適宜パラメーターを調整(または標準ダイアログから画質を選択)したうえで、保存ボタン操作で画像が JPEG ファイルとして保存されます。



クオリティは、JPEG 圧縮時の量子化係数で、この値を下げるとサンプリング時に情報の間引きが行われます。 要は、JPEG ファイルに記録する情報のきめ細かさを決める値で、大きな値を指定すれば画質劣化が起きにくく高画質で保存されますが、ファイル容量も大きくなります。

サブサンプリングレートは、色情報の密度を決めるものです。 人間の視覚が輝度に敏感で比較的色には鈍いことを利用し、JPEG 形式では色に関する情報を粗くすることでもファイル容量を抑制できます。

JPEG ファイルに記録されるとき、画像情報は YCbCr という色空間で表されます(RGB色空間ではない)。 これは、輝度(Y)・青と緑の間のカラーバランス(Cb)・青と赤の間のカラーバランス(Cb)の3要素で色を表現する色空間で、サブサンプリングレートのは、この Y・Cb・Cr の密度の比率です。

なお、モノクロの選択肢は、Cb・Cr をまったく記録せず、輝度情報だけを記録するための指定です。 画像がモノクロの場合に、サブサンプリングレートにモノクロを選択しておくと、その分もファイル容量を抑制することができます。

結局は、「画質」と「色情報密度」ですので細かいことを理解する必要はありません。 しかし画像に応じて画質と容量のより良いバランスを得るために、概略を承知しておくことは無駄にはなりません。

パラメーターを調整してプレビューされると、JPEG 圧縮結果のファイルサイズ(容量)が表示されますので、画像の用途などに応じ、プレビューされた画像の画質と容量のバランスを検討することができます。



画質と容量のバランスにさほど拘る必要のない場合や、よくわからない場合などは、標準ボタンを利用して下さい。 あるいは、バランスを調整する前の初期状態として利用するのも良い方法かもしれません。

ここから、用途に応じた選択肢を選んでOKすれば、それに応じてクオリティサブサンプリングレートが設定されます。



JPEG形式の特長

画像の記録形式にはいろいろなものがありますが、そのうちで JPEG 形式は、今日最も多く使用されている形式です。
その最大のメリットは画像のファイル容量を小さく抑えられることで、これだけ普及している理由は、その点に尽きると言って良いでしょう。

多くのデジタルカメラで、JPEG 形式が標準的な記録方法となっているのも、ファイル容量が小さく抑えられることから来ていると考えられます。 ファイル容量が抑えられれば、同じ容量のメディアに多くの枚数を画像を収められますし、画像1枚あたりの記録時間も少なく済ませることができるので次の画像を撮影できるまでの時間などの点でも有利です。

また、容量が小さければ転送時間も短くて済みますので、JPEG 形式がWEBブラウザが扱う画像の実質的標準形式となったのも、やはりこの点が鍵になりました。

現在のピンぼけ・手ぶれレスキューでは積極的に取り扱っていませんが、JPEG 形式が広く普及する間に、EXIF(Exchangeable Image File Format)と呼ばれる付加的情報がファイルに加えられるようになりました。 主にデジタルカメラが、撮影日時・露出・シャッタースピードなどをはじめとする、さまざまな撮影情報を EXIF に記録します。 適切なビューアソフトを使用すれば、撮影時に記録されたこれらの情報を画像と一緒に閲覧することができますので、たいへん便利です。

なお、まだ EXIF ほどは一般的になっていませんが、PIM(Print Image Matching)や Exif Print などの、プリントを意識した詳細なカラーマッチング情報などの規格も(主にプリンターメーカー主導で)登場しています。 デジタルカメラによっては、これらの情報も JPEG ファイルに付加されるようになって来ています。

JPEG形式の注意点

このように普及した JPEG 形式ですが、ただひとつ重要な弱点があります。
JPEG 形式では、画像は圧縮して記録されます。 一般に JPEG 圧縮などと呼ばれます。

画像はデータ容量を圧縮されて JPEG 形式のファイルに格納されます。 これは、たとえば再び表示するときに、伸張、即ち、圧縮された状態が元に復元されて表示されることを意味します。 ところが、この JPEG 圧縮の方法は不可逆圧縮なのです。 不可逆圧縮というのは、圧縮されたものを伸張・復元しても完全には元に戻らないということです。

ただ JPEG 形式の場合、伸張・復元されたデータを画像として見た場合、完全には元通りではないけれども、人間の視覚上はあまり影響を及ぼさないような仕組みになっています。 即ち、画像を圧縮してそれを伸張・復元した画像は、圧縮前とは多少違うけれども、そうたいして違うわけではないというのが JPEG 形式で、けれどもやはり元とは違ってしまうことが画質劣化に繋ります。

ここで、強く圧縮してファイル容量を抑えようとすればするほど、画質の劣化も激しくなるものです。 またあまり知られていない事柄ですが、JPEG 保存方法は使用するソフトにより処理品質が異なります。 JPEG ファイルの画質はあくまでファイル容量とのバランスの上で考えるべきものですが、JPEG 圧縮の品質に拘りのないソフトを使用していると、ファイル容量が大きいのに画質も良くないということが起きてしまいますが、もちろん、ピンぼけ・手ぶれレスキューでは JPEG 圧縮品質にも十分な注意が払われています。

また、同じサイズ(面積)の複数の画像を、同じ圧縮パラメーターで保存したとき、画像によってファイルサイズが相当に異なることも覚えておいて下さい。 大雑把に言えば、画像全域が細かく鮮明な被写体で埋まっていれば JPEG 圧縮は効きにくくなり、ファイル容量は大きめになります。 緑豊かな風景などは、たいていの場合圧縮が効きにくいものです。 逆に空や暗い影、あるいは大きくぼけているなどで、画像の広い範囲が比較的均一な色で占められていれば、JPEG 圧縮が効きやすくなり、ファイル容量はかなり小さくなります。

  圧縮が効きにくい   圧縮が効きやすい  
     

JPEG 保存時の画質選択

以下にサンプルを示しますが、画質劣化がどの程度問題になるかは、画像の用途により異なります。 また、見る目の厳しさによっても違いがあります。
そして特に注意して頂きたいのは、どのようなパラメーターでどの程度まで画質が影響を受けるかは、個々の画像によって異なることです。

ファイル容量をまったく気にする必要のない用途であれば、十分余裕を持った高画質の設定を選んでおくという使い方があり得ます。 しかし、画質とファイル容量のバランスを考慮する限り、特定の画像で検討を行って、「この用途にはこの画質で良い」と決める(それを複数の画像に適用する)ことはできません。 さまざまな画像の中には、際だって JPEG 圧縮による画質劣化が気になる画像もあるものなので、注意が必要です。


  元画像     左はウィンドウズビットマップ(BMP)形式のファイルのため、ブラウザによっては表示されません。
これは、撮影したままの元画像(3008×2000 pixel 1,654,645 bytes)を縮小して BMP 形式で保存したものです。
 
      115,254 bytes      
      クオリティ
100
  クオリティ
90
  クオリティ
80
  クオリティ
70
  クオリティ
60
  クオリティ
50
 
  サブサンプリングレート
1:1:1
             
      41,668 bytes   9,837 bytes   6,831 bytes   5,519 bytes   4,730 bytes   4,235 bytes  
  サブサンプリングレート
2:1:1
             
      29,912 bytes   8,416 bytes   5,870 bytes   4,765 bytes   4,066 bytes   3,662 bytes  
  サブサンプリングレート
4:1:1
             
      24,010 bytes   7,557 bytes   5,307 bytes   4,346 bytes   3,716 bytes   3,356 bytes  

上記の画像は背景が主にぼけているため、同じパラメーターでも容量の圧縮が効き易い画像です。 同時に極めてシャープな部分がありますので、画質劣化の様子を見るのには好都合でもあります。 しかし、特に画質劣化が問題になり易い画像ではありません。 その点ではごく普通の画像とお考え下さい。

     
  サブサンプリングレート 1:1:1
クオリティ 100
41,668 bytes
  サブサンプリングレート 4:1:1
クオリティ 50
3,356 bytes
 

違いがわかり易いように、左上隅と右上隅の画像だけを並べてみました。
右の画像では、花がぼやけた感じになっているのが明確にわかると思います。 左の画像は、画像の面積に対してファイル容量がかなり大きくなっています。 WEBへの掲載の用途で考えると、普通はこのサイズ(面積)の画像にこんなに容量を費やすのは考えものです。

そのようなわけで、この2枚の保存パラメーターの間の、どこかのバランスを選択するのが普通でしょう。
そのバランスは、用途と画像に応じて設定・選択して下さい。 なお、高画質を求めると、あるところから容量が急激に増加し始めることにも注意が必要です(それでも BMP 形式と比べれば遙かに小さいファイルサイズです)。

なお、ピンぼけ・手ぶれレスキューでは、JPEG 圧縮の結果の画像とファイル容量を、保存を行う前にプレビューする仕組みになっています。 そのとき、是非、拡大表示して、双方の画像を見比べてみて下さい。 どのような部分で、どのような画質劣化が起きるのか、ある程度感覚的に知ることができることと思います。 慣れてくれば、JPEG 保存で画質劣化が問題になり易い画像か、そうでないか、あるいはどの程度のパラメーターが適切そうか、画像を見てかなり判断がつくようになります。

画質劣化と JPEG ノイズ

JPEG 圧縮による画質劣化は、あまり極端でない場合には JPEG ノイズとして現れます。

JPEG ノイズには、ブロックノイズと呼ばれるものと、モスキートノイズと呼ばれる現象があります。 これらは、JPEG 圧縮の結果として生じるものなので、厳密な定義があるわけではありません。 実際、クオリティの指定値に低い値を指定するなどして極端な圧縮を行った場合など、ブロックノイズとモスキートノイズの識別などつかなくなります。

しかし実際には画質劣化の結果生じる現象として、ブロックノイズ・モスキートノイズとして知られる現象があるのは確かです。 圧縮パラメーターを調整するときに、画質劣化の起きやすい部分に関心を向けられますので、それぞれの現象について承知しておくのが良いでしょう。

なお、以降のサンプル画像は、JPEG 圧縮で生じるノイズを JPEG ファイルによって例示することになりますので、厳密には少々無理があります。
その点をご承知おきのうえご覧下さい。

ブロックノイズ

この画像は、撮影したままの元画像(2240×1680 pixel 780,034 bytes)を縮小した後、サブサンプリングレート 1:1:1、クオリティ 60 で JPEG 保存したものです。

サブサンプリングレート 1:1:1、クオリティ 60 という設定は、そこそこの画質の設定でもあり、原寸で見る限りにはそれほど画質劣化が問題ではないように見えます。

しかし実は、この画像はブロックノイズの目立ち易い画像なのです。 一般に、赤や青の彩度が高い原色系の色が、比較的均一に広がる部分があると、そのような部分でブロックノイズが目立つようになります。

この画像でもチューリップの花の部分を拡大してみると、既にブロックノイズが目立ち始めていることがよくわかります。 拡大前の8×8 pixel の正方形が並んで見えます。 これは、JPEG 形式が画像を扱う単位のブロックで、その境界が次の部分拡大画像のように見えてしまう現象がブロックノイズと呼ばれます。

このような画像では、画質を多少落とすと(ファイル容量を小さく抑えようとすると)、原寸でも明確にわかるほどの画質劣化が引き起こされるので注意して下さい。


 
  元画像から縮小後の部分4倍拡大   前掲 JPEG ファイルの部分4倍拡大  
     

モスキートノイズ

この画像は、撮影したままの元画像(2560×1920 pixel 1,145,187 bytes)を縮小した後、サブサンプリングレート 4:1:1、クオリティ 60 で JPEG 保存したものです。

もう少し高画質で JPEG 保存したいところですが、画像はかなり細かなディテールが豊富な画像のため容量の圧縮が効きにくく、この設定でも(480×360 pixel の大きさにも関わらず)48,447 bytes のファイル容量となっています。

もっとも、JPEG 圧縮による画質劣化は、原寸で見る限りはさほど問題はなさそうです(並べて比べればようやく気づく程度)。

ところが、空を背景にした梢の部分を拡大してみるとノイズがかなり目立っていることがわかります。 この現象は、平坦な色を背景にしてハイコントラストなものがあるとその周辺で目立つもので、モスキートノイズと呼ばれます。

空を背景の葉の落ちた枝などは、まさにこの条件に合致するので、このような画像ではモスキートノイズがかなり発生します(デジカメの記録した画像で目立つこともあります)。 ファイル容量は多少大きくなりますが、このような画像では十分に高画質な設定で JPEG 保存することをお勧めします。


 
  元画像から縮小後の部分4倍拡大   前掲 JPEG ファイルの部分4倍拡大  
     


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