使用する順序

フィルターを使う順序はもちろん自由です。 しかし、たとえば2つのフィルターを使う場合、どちらを先に使うかでかなり結果が異なる場合があります。 そこでここでは、フィルターなどを使用する順序、その推奨手順について説明します。

しかし、絶対その順序でなければならないということはありません。 また、画像をレタッチする意図や画像の状況など、予め想定し切れるものでもありません。 意図や状況が違えば、合理的な手順も変わってきて当然でもあります。

それでもなお、ある順序が普通は合理的という前後関係があるのも確かです。 たとえば、あまり良い例ではありませんが(シャープフィルターの使用はあまりお勧めしていないため)、リサイズ(縮小の場合)とシャープフィルターを使用するとすれば、縮小した後にシャープフィルターを使用するのが普通でしょう。 その逆では、シャープフィルターの効果があまりなくなってしまうからです。 しかしたとえば、レタッチ完成後の画像からサムネイルも作る場合を考えれば、シャープフィルターの後に縮小することになるわけで、結局は状況次第ということです。

そのような意味での推奨手順を以下に示します。

上記の例の通り結局は状況次第ですので、以下の推奨順序を守ろうとするのではなく、どうしてその順序が推奨されるのか、その理由をご理解頂くことが役立つことと思われます。

推奨手順

手順と言うより、複数の処理を行う場合の順序の前後関係です。

例外は多々あり得ますが、上に記したものを先に、下に記したものを後から使用することをお勧めします。

90度回転
左90度回転
右90度回転
90度回転はいつ行っても画質に影響はありません。
最初に実行するのが普通でしょう。

元画像に対する使用を基本とするフィルター
シェイクキャンセラーフィルター
(シェイクキャンセラーフィルター)
フィットフォーカスフィルター

手ぶれ軌跡補正フィルター
直線的手ぶれ補正フィルター

フォーカスエイドフィルター
人間の目には差が感じられないような加工でも、シェイクキャンセラーフィルターやフィットフォーカスフィルターの統計処理には大きな影響が生じます。 シェイクキャンセラーフィルターやフィットフォーカスフィルターは、元画像に対して真っ先に用いることを原則として下さい。

なお本来用途ではありませんが、極めて激しい手ぶれ画像に対して、シェイクキャンセラーフィルターを2度施すことが有効な場合があります。 特に画質に拘らない場合(激しい手ぶれに対してはそうならざるを得ませんが)、試してみる価値があるでしょう。

手ぶれ軌跡補正フィルターと直線的手ぶれ補正フィルターには、補正方法を決めるための解析処理が含まれているため、加工済みの画像からでは正しい解析結果が得られないおそれがあります。

フォーカスエイドフィルターは画像に含まれるティテールを扱いますが、加工済みの画像からはティテールが失われている可能性があります。 但し、シェイクキャンセラーフィルター・フィットフォーカスフィルター・手ぶれ軌跡補正フィルター・直線的手ぶれ補正フィルターと併用する場合には、扱うディテールの微妙さからフォーカスエイドフィルターを後にした方が良いと思われます。

リサイズや階調補正以前に使用することが望ましいフィルター
輪郭強調
エッジ保存平滑化
(アンシャープマスク)
(クリアエッジフィルター)
ぼかし
原理的には、より多くの情報を保持している状態で使用することが望まれます。 但しアンシャープマスクやクリアエッジフィルターに関しては、リサイズ後のシャープネス補完の用途の方が重要かもしれません。

階調や色調に関するフィルター
階調・色調補正
グレイスケール
階調や色調の補正は、トリミングやリサイズの前に行うことをお勧めします。 明確な差は生じませんが、その方が最終的に豊かな階調・色調を保持できると考えられます。

トリミング・リサイズ
トリミング

リサイズ
特にリサイズは、画素(ピクセル)の情報を集約します。 豊富な情報を元に処理を行うフィルターは、これ以前に使用することが望まれます。

但し、大きな画像のままでは処理が遅いので先にリサイズしたいなど、現実的事情に左右されるところでもあります。 また、元画像にノイズが多かったような場合、リサイズによりノイズの影響が少なくなった後の方が、より良いフィルター処理結果を得られることがあるのも事実です。

リサイズ後のシャープネス補完
(フィットフォーカスフィルター)

(フォーカスエイドフィルター)
輪郭強調
アンシャープマスク
フィットフォーカスフィルターは元画像に対して用いるのが原則ですが、元がぼけた画像のリサイズ後のシャープネス獲得などにも利用可能です。 但しその場合、必ず「ピンぼけ・手ぶれレスキュー」でリサイズして下さい。 他のソフト(たとえばバイキュービック法)でリサイズすると、その画像はフィットフォーカスフィルターによる補正に向かなくなります。

リサイズや斜めトリミングを行うと、画像が僅かにぼけやる傾向があり、これは原理的な現象です。 但し、ぼけた画像をリサイズで縮小した場合は、縮小前よりシャープに見えます。

それに対する補完はアンシャープマスクで行うのが普通ですが、縮小してもなおぼけた画像に対してフォーカスエイドフィルターや輪郭強調を適用するのも有効な手段です。 特に輪郭強調では、さまざまに効果を調整することができますので、最後の一手としても利用可能です。

最後に使用すべきフィルター
クリアエッジフィルター

シャープフィルター
クリアエッジフィルターは、輪郭のフチを扱いますので、画像加工の最後の仕上げに使用することが望まれます。 それとは別に、状態の良い画像の軽いピンぼけに対して有効な場合もあり、その用途については別です。
また、クリアエッジフィルターは、フォーカスエイドフィルター・輪郭強調・アンシャープマスクと組み合わせ、その後に使用すると効果的です。

一方、シャープフィルターの使用は画像全域への弊害が大きいためあまりお勧めしていません。 しかし、使用するなら他のフィルターより後にするのが合理的です。 最後の仕上げとして画像全域にシャープネスを付与するという使い道まで否定すべきではないのかもしれません。 但しその場合でも、極めて控え目に使用することをお勧めします。

その他の演出
枠付け

縁(影)付け
いわゆる画像のレタッチ処理を終えた後に施して下さい。

デジタル額装した画像に影を付けるなら、枠付けした後に、縁(影)付けを行います。


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